しきびは、しきみ(樒)とも言われ、しきびの実はインドが原産で、
猛毒をもつことから「悪しき実」と呼ばれ、その名の由来となったものとも言われています。
言い伝えでは、狼や犬がしきびの葉の匂いを嫌う事から、墓を荒らされないようにするためとも言われ墓前に植えたり、仏花とされて仏前に供えたり、葉を線香の 材料としたりもするようです。
鑑真和尚が日本に伝えたといわれ、通夜、葬式では、しきびを用いるのがマナーであり、枕飾りに、しきびを一本用い、地方によっては、花環の代わりに供花として 用いるところもあるようです。
お葬式の歴史として、このしきびの由来をみていきましょう。 迦葉尊者が500人の弟子を連れて、はるか遠方にいたとき、釈尊の病気の知らせが届きました。
急いでクシナガラに向かう途中、手にまんだら華を持っている旅人に出会いました。
葬式には、長く枝のついた一本花を持つ習慣があったので、葬式があったであろうと思い、旅人に釈尊のことを問うてみると、釈尊はすでに一週間前にお亡くなりに なっており、その葬式に列席しこの華をもらってきたということを語ったそうです。 日本ではまんだら華はないので、その代わりに、お葬式では1本のしきみを捧げるということです。